コーヒーさえあれば、何とかなるはず

雑記ブログになります。レビューや批評などを掲載。

レビュー

「日本人の勝算」から考える、日本経済の今後の課題とは?

デービッド・アトキンソン著「日本人の勝算」 デービッド・アトキンソン著「日本人の勝算」 著者デービッド・アトキンソン氏とは 人口減少×高齢化×資本主義 デフレリスクの要因 量的緩和政策が効かなくなる?! 量的緩和の効果 もっと分かりやすい量的緩和政…

新作「一人称単数」から考える、村上春樹の魅力とは?

今回、新作の発表にあたって、そこから村上春樹の魅力を再考察してみた。 村上春樹短編集「一人称単数」について 「石のまくらに」 「クリーム」 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」 「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」 「『ヤクルト…

虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか——少年の心の闇に思いを馳せる

虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか 石井光太著「虐待された少年は、なぜ事件を起こしたのか?」 石井光太著「虐待された少年は、なぜ事件を起こしたのか?」 この本を読んだきっかけ 少年が非行、犯罪に走るきっかけとは 本の内容が他人事と思えない…

ジョージ・オーウェル「1984」を読んだ

ジョージ・オーウェル「1984」 概要(作品について) あらすじ 総評 現代社会にも通じる暗黒社会 ただのオーソドックスな恋愛物語ではない 「希望は、プロール(庶民)の中にある」 概要(作品について) トランプ大統領就任後、再び世界中で評価が高まって…

話題作「天才を殺す凡人」を読んだ――誰でも天才?!

天才を殺す凡人 最初に 世の中の人間は、大体三種類に分けられる 三人のアンバサダー 7種類の主語の違い 才能を発揮するには、3つのステージが 誰の中にも天才はいる 総評 最初に この本を手に取ってまず思ったこと。すごく意地悪な言い方すると、「ふーん…

映画「博士と彼女のセオリー」を見た

博士と彼女のセオリー 概要 あらすじ 総評 「どんなに不幸な人生でも、やれることはあるし成功できる」 人生におけるユーモアとは 妻の献身 最後に 概要 「博士と彼女のセオリー」(The theory of everything)は、2014年のイギリス映画で、理論物理学者のス…

村上春樹氏とノーベル賞

村上春樹氏とノーベル賞 概要 カズオイシグロと村上春樹の違い 「騎士団長殺し」を読んで 春樹氏と日本、そして日本人であることについて だったらどうするべきか もっと日本らしさを小説に盛り込むべき 概要 私はずっと長いこと、氏とノーベル賞について考…

「わたしはダニエル・ブレイク」でイギリス社会の闇を見た

わたしはダニエル・ブレイク 「わたしはダニエル・ブレイク」とは あらすじ(ネタばれあり) 総評 人とのつながり 人間の尊厳とは 貧困・格差の問題 「わたしはダニエル・ブレイク」とは 遅まきながら、2016年のイギリス映画、「わたしはダニエル・ブレイク…

映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」レビュー(ネタばれあり)

絶望の先にあるもの 映画概要 マット・デイモンプロデュース、ケナス・ローガン監督、ケイシー・アフレック主演。 アカデミー賞やゴールデングローブ賞などをはじめ、2016年から2017年にわたり数々の賞を総なめした話題作。 このところ自分の中でヒットがな…

映画「キンキーブーツ」レビュー

おすぎも褒めていた、知られざる名作 二人の出会いから始まる物語 実際見た感想は、しみじみいい映画だと思った。 まず、主人公チャーリー役のジョエル・エドガートンが、とても役どころにあっている。 いかにも靴屋って感じだ。 そうしてもうひとりは、女装…

映画「アメリカン・ビューティー」レビュー

狂気と正気の狭間にある美 映画の概要 アカデミー賞受賞作で、サム・メンデス監督、ケビン・スペイシー主演、そして、ドラマ「シックス・フィート・アンダー」のアランボール脚本作品。 好きすぎてもう5回近く見直してしまった。 描かれているのは、一言で…

又吉直樹「火花」レビュー

シュールだけど純粋に面白い 神谷の人間性 私を含む多くの人は、神谷のような人間を、「ただテンションが高くて痛々しい人」と思って、深く関わろうとはしないと思う。 しかし主人公徳永は、そんな神谷に「何か」を見出し、憧れや尊敬の念を抱くようになる。…

カズオ・イシグロ「日の名残り」レビュー(ネタばれあり)

笑いあり涙ありの感動スペクタクル あらすじ かつてダーリントン卿に仕えていた執事、スティーブンスは、新しい家主ファラディの許可を得て、一週間の慰安旅行に出かける。 その間、同じく執事であった父、恋心を寄せていた女中頭、ミス・ケントンや、故ダー…

「オリジナルズ~誰もが『人と違うこと』ができる時代」を読んだ

オリジナルな人になろう! オリジナルな人とは何ぞや? 《オリジナルな人》とは、社会の人の中で、その人らしい個性を発揮し、自らのビジョンを形にし、世の中に爪痕を残していく人のこと。 決して奇をてらったり、大胆なリスクを取ったり、派手なパフォーマ…

サミュエル・ベケット「名づけられないもの」を読んだ

安易な解釈を拒む前衛小説 サミュエル・ベケット「名づけられないもの」 安易な解釈を拒む前衛小説 前衛音楽を彷彿とさせる 訳者のあとがき 読んでもよいし、読まなくてもよい 私が唯一分かったのは 前衛音楽を彷彿とさせる 禅問答のような問いかけを繰り返…