コーヒーさえあれば、何とかなるはず

雑記ブログになります。レビューや批評などを掲載。

小説

新作「一人称単数」から考える、村上春樹の魅力とは?

今回、新作の発表にあたって、そこから村上春樹の魅力を再考察してみた。 村上春樹短編集「一人称単数」について 「石のまくらに」 「クリーム」 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」 「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」 「『ヤクルト…

ジョージ・オーウェル「1984」を読んだ

ジョージ・オーウェル「1984」 概要(作品について) あらすじ 総評 現代社会にも通じる暗黒社会 ただのオーソドックスな恋愛物語ではない 「希望は、プロール(庶民)の中にある」 概要(作品について) トランプ大統領就任後、再び世界中で評価が高まって…

村上春樹氏とノーベル賞

村上春樹氏とノーベル賞 概要 カズオイシグロと村上春樹の違い 「騎士団長殺し」を読んで 春樹氏と日本、そして日本人であることについて だったらどうするべきか もっと日本らしさを小説に盛り込むべき 概要 私はずっと長いこと、氏とノーベル賞について考…

又吉直樹「火花」レビュー

シュールだけど純粋に面白い 神谷の人間性 私を含む多くの人は、神谷のような人間を、「ただテンションが高くて痛々しい人」と思って、深く関わろうとはしないと思う。 しかし主人公徳永は、そんな神谷に「何か」を見出し、憧れや尊敬の念を抱くようになる。…

カズオ・イシグロ「日の名残り」レビュー(ネタばれあり)

笑いあり涙ありの感動スペクタクル あらすじ かつてダーリントン卿に仕えていた執事、スティーブンスは、新しい家主ファラディの許可を得て、一週間の慰安旅行に出かける。 その間、同じく執事であった父、恋心を寄せていた女中頭、ミス・ケントンや、故ダー…

サミュエル・ベケット「名づけられないもの」を読んだ

安易な解釈を拒む前衛小説 サミュエル・ベケット「名づけられないもの」 安易な解釈を拒む前衛小説 前衛音楽を彷彿とさせる 訳者のあとがき 読んでもよいし、読まなくてもよい 私が唯一分かったのは 前衛音楽を彷彿とさせる 禅問答のような問いかけを繰り返…